日本では毎月第二水曜日に配信されるWindowsアップデートですが、先月のアップデートでWindows11のセキュリティ更新プログラム「KB5012170」に致命的な不具合が含まれていることが判明しました。このアップデートには、インストール自体に失敗する不具合が発表されていますが、うまくインストールできない方が良かった?という妙なことになっています。
最近のWindowsパソコンには、PCの盗難時などにデータを第三者に抜きとられれないように、記憶媒体事態にカギをかけ暗号化してしまうセキュリティ機能「BitLocker」というものが搭載されています。このスイッチが入ると、回復キーを入力しなければデータの抜き取りも、PCの起動もできなくなります。たとえば、PCからディスクを取り出して別のPCでデータを抜き取ろうとした場合が想定されています。
前置きが少々長くなりましたが、今回の不具合は、この機能が勝手にオンになってしまい、PCの起動時に回復キーの入力を求められる画面が出てきて先に進めなくなるというものです。
本不具合が発生した場合、残念ながら回復キーの入力以外に復旧方法はありません。
回復キーは、BitLockerが搭載されたPCの、購入した当初に画面右下からダイアログで回復キーの保存を促す画面が出たタイミングで、マイクロソフトアカウント経由でクラウド保存するか、紙に印刷するか、データで保存する、または、起動できる状態のPCで設定アイコンから同じく保存か印刷する必要があります。ロックがかかってからでは回復キーは手に入りません。(当然といえば当然)
仕方なくリカバリーする場合、マイクロソフトのオフィシャルサイトからWindows10の再セットアップメディアを作成し、作成したUSBメモリやDVDから起動してリカバリーすることが可能です。ディスク内のリカバリー領域はロックされてしまっているため使えません。
Windows10の延長サポートは「2025年10月14日」までです。今急いでWindows11にする必要はありません。もしWindows10のままで良いとお考えの方は、以下の記事をご覧いただき、自動的にWindows11になってしまうことを防ぐ手立てをお勧めします。
最後に、本不具合の対象は、Windows11 バージョン21H2 に KB5012170 をインストールした場合のみです。
(I)
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